空耳図書館の推薦図書①


 空耳図書館の推薦図書2冊目はこちら『音さがしの本〜リトル・サウンド・エデュケーション』(春秋社 増補版2008)です。サウンドスケープ論を提唱したカナダの作曲家M.シェーファーと弘前大学今田匡彦教授が日本の子どもたちに向けたサウンド・エデュケーション(音のワークショップ)100の課題集です。音のある世界も音のない世界も扱ったユニークな"音楽の教科書"。しかも自在にアレンジが可能なので(だからこそ)、進行役にはサウンドスケープの哲学を知っていることが望ましいと思っています。先日のカプカプ等、即興性が求められる現場にも応用しています。そしてこの場のあり方と、今回3月17日にご紹介する臨床哲学のカフェもとてもよく似ているのです。
 なぜなら両者ともに音楽や哲学の専門知識や特別な技術は必要とせず、誰にでもひらかれた場を目指しているからです。そしてキーワードは「きく」こと。対象が音│言葉の違いだけ。
 ササマユウコはもともと大学で教育哲学を学び、2011年9月から2013年3月までは弘前大学大学院今田研究室に籍を置き、サウンドスケープ論を「耳の哲学」と捉え直して研究していました。このサウンド・エデュケーションを実際に体験してみたい方も、どうぞお気軽にお問合せください。小さな音、音を出さない音のワークショップ、大人向けの「即興カフェ」も展開しています。
(写真右上)NPO法人らいぶらいぶ主催「ベビーフェスタ 空耳図書館」右下「即興カフェのサウンド・エデュケーション」

◎芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト
www.coconnect.jimdo.com
tegami.connect@gmail.com 

ササマユウコ

(コネクト/CONNECT代表・音楽家)

1964年生まれ。都立国立高校、上智大学文学部教育学科卒。大学時代は(教育哲学/視聴覚教育)を学び、卒業後は日本初の「一芸入社」(音楽)でグループ企業の文化・メディア専門総合職に。そこから音楽活動とのダブルワーク人生です。2011年東日本大震災を機に創作活動を休止し、弘前大学大学院今田研究室でサウンドスケープ論を「耳の哲学」として研究。並行して町田市生涯学習部まちだ市民大学講座企画・運営を約4年担当。この経験から2014年に相模原市立市民・大学交流センター内に芸術教育デザイン室CONNECT/コネクト設立し、「つなぐ・ひらく・考える」をテーマに芸術と学術、アーティストと研究者の間に生まれる21世紀型リベラルアーツを実践的に探っています。「即興カフェ」、「空耳図書館」、「聾/聴の境界をきく」「路上観察学会分科会」、音の哲学ワークショップ(サウンド・エデュケーション)、学会発表、執筆等。ユーモア大事。

所属:アートミーツケア学会、日本音楽教育学会 日本音楽即興学会

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