「障害者福祉オルタレゴ」という提案@相模原

芝浦工業大学の学生ボランティア「空き家改修プロジェクト」によって、福祉施設にリノベーションされた民家が「障害者福祉オルタレゴ」として歩み始めています。JR淵野辺駅から徒歩15分程の住宅地に佇む広い庭のある一軒家。いわゆる一般的な「福祉作業所」とは違い、ここでは「障害のある/ない」の境界線を越えた新しい福祉の在り方(関係性)が提案されています。

いちばんの特徴は、この施設にはアートユニットeje(エヘ)のメンバーがいて、利用者さんと共に一日を過ごしていることです。彼らの中心メンバーであるgOさんは、先日ご紹介した東京大学駒場博物館特別展『境界線を引く⇔越える」でも素敵な音作品で場内を包んでいましたが、もともとejeは「音」をメインにした作品を展開し、2013年度岡本太郎賞特別賞も受賞するなど「音楽と美術」の領域を行き来しているユニークなアーティストです。また先月は寺田倉庫のアートギャラリーで関係性をテーマにした作品「ものおと」を展示していました。詳細はこちら→


理事長の磯部さんの考える福祉は「境界線」を引かず、人と人との関係性、その原点に立ち返るような理念があります。どちらかと言えば「自分には障害がない」と思っている人たちにこそ、あらたな気づきが生まれるような場づくりを目指している。オルタレゴは誰もが生きやすい多様な社会の実験の場であり、またここから「新しい福祉のかたち」が提案されていく可能性も大いに秘めていると思いました。この日も、男性の利用者さん3名が施設の中で思い思いに過ごす中、利用者さんにお茶を出して頂いたり、ejeも交えて世間話をしたりと、彼らの「家」でおもてなしをされているような静かで心地よい時間を過ごしました。ここではウチの人もソトの人も「無理やり」何かをする必要がないのです。

 

障害のある/ないに関わらず、まず人と人として出会う。その中で相互に新しい発見や気づきがあり、日々の暮らしの時間が少し豊かになる。それこそが最も身近にある芸術(生きる術)ではないかと思うのでした。