原田郁子×マームとジプシー リーディングライブ「cocoon no koe cocoon no oto」@杜のホールはしもと(多目的室)

4月27日に桜美林出身の話題の劇団「マームとジプシー」のリーディングライブ「あらためまして、はじめまして、ツアー cocoon no koe cocoon no oto」を観ました。8月14日には「cocoon」全国ツアーの千秋楽が同ホールで上演されます。

藤田貴大さんがサンプラーで織りなす音風景(舞台)に、原田郁子さんの歌声・生演奏と青柳いづみさんのコトバ(台詞)や動きが絡みながら、演劇とは違うマー ジナルな’音楽’が繰り広げられました。今日マチ子さんのイラストが背景に映し出されることで、原作の余白に想像力の枝葉を巡らせるような、決して声高では ないけれども、ひめゆり隊の少女を通した戦争の悲惨さが静かにじわりと伝わってきます。ガラスのような繊細さと裸足で大地を踏みしめる力強さを合わせ持っ た少女たちの生命がキラキラと輝きながら散っていく。70年前の沖縄の夏が、青い海が、白い砂浜が、赤い血痕が目の前に鮮やかに広がるような時間でした。

藤田貴大さんは「学生時代の暗い思い出ばかり」の相模原・町田市界隈が苦手だそう。都市郊外と距離を置く若者には、同じ思いを抱いている人が多いはずです(筆者もそうでした)。だからこそ、その魅力を独特の視点で掘り起こすような作品がいつか生まれたら嬉しいです。

「マームとジプシー」の今後の躍進にも注目していいきたいと思います。



会場の「杜のホールはしもと」は、橋本駅ビル内mewe Hashimotoの上階に図書館と共にある公共施設です。大きな吹き抜けの屋内庭園では思い思いに本を読む人や寛ぐ人の姿がみられ、都市郊外の静かで贅沢な時間と空間が存在していました。JR町田駅からもわずか20分程度。周囲には芸術系大学も多く、特に多目的室は若手の実験作品や話題作等も積極的に取り上げた舞台芸術の発信地になることを期待します。