日中韓文化芸術教育フォーラムが開催されました

去る11月16日(月)に「Arts for Children~日中韓文化芸術教育フォーラム2014」が開催されました。(主催:文化庁、共催:横浜市、2014年東アジア文化都市実行委員会、場所:パシフィコ横浜)
 ご存知の方も多いと思いますが、文化庁では文化芸術教育を「創造性やコミュニケーション能力の発達、相互理解の促進などに大きな役割を果たすものであり、今日その重要性はますます高まっている」と考えています。この日は各国の文化芸術教育に関する取り組みを共有し、東アジアの子供たちの芸術教育の現状や未来の姿が、国レベルと現場の両視点から語られました。特にいじめや受験ストレス、自殺、貧困問題など、子どもたちを取り巻く問題が似ている韓国の事例、競争を煽る社会からの脱却を目指す「芸術の花の種学校」の取り組みは非常に興味深かったです。隣国の教育システムを知る機会はなかなかありませんが、「同じ課題」に向き合う場はとても有意義だと感じました。現場からは、「日常の体育館が劇場に変わる非日常体験」、「安心して芸術を体験できる環境の大切さ」が魅力である学校アウトリーチの共通点も見えてきます。

 また日本(横浜)の事例として、芸術家派遣のコーディネートを担っている横浜市芸術文化教育プラットフォーム事務局が登壇し、地域の経済格差が広がっている現状から「このままでは、芸術教育が富める子ども達のものだけに陥るのでは」と指摘された点が印象的でした。芸術によって貧困層に誇りを持たせようと考える他国とは実に対照的だったと思います。中韓が講師(Teaching Artist)の育成にも力を入れている点は羨ましくもありました。

 個人的に興味があったのは、韓国、中国のパネリストが共に音楽教育の専門家だったことです。彼女たちが「西洋に追いつけ」と技術中心の西洋音楽教育を受け、その教育の在り方に疑問を持った点に共感します。「音楽教育は全的教育でなければならない」と説いたM.シェーファーの教育論とも共通するのでした。