山羊のいる風景

町田市にある藤の台団地と山崎台団地では、昨年から除草用の山羊がUR都市機構から派遣されています。残念ながら藤の台団地の山羊は仕事を終えて引き上げてしまいましたが、山崎台団地の方は11月いっぱい滞在する予定だそうです(予定は変更になる場合があります)。

 山羊に会いにいくと、日常風景の中に真っ白な山羊が存在するだけで不思議と心が和み、どこにでもある空き地が特別な場所になったような感じがしました。この白い4匹の山羊の存在は、そのまま「郊外都市の暮らしと芸術」の理想的な関係のようにも思えました。山羊は芸術家でもあり、山羊がいることで起きるコトが芸術となる。そのコトが人や場をつなぎ、コミュニティに新しい風が吹く。だからといって大げさではなく、あくまでも日常の中にある非日常。山羊は自然体なのです。

 

 残念ながら山羊には遭えませんでしたが、最初に訪れた藤の台団地は、生活空間そのものが心地よいコミュニティ・アートになっているというか、どこかクリエイティブな雰囲気が漂っていて新鮮な驚きがありました。各棟の入り口は美しい色で塗り分けられ、花壇は美しく整備され、手書きの看板がある。商店街のギャラリーには沢山の作品が、音楽教室ではピアノを弾いている人がいる。デイサービスには和風旅館風の「藤の台の湯」と染め抜きされた大きな暖簾がかかっている。ベンチで談笑する人、お散歩する人。生活の「質」とは何か。芸術とは何か。過去と未来が交錯する昭和の「団地」から、新しいコミュニティの在り方が見えてきます。

 コネクト+では、今後も都市郊外の団地も取材しながら、「コミュニティと芸術」についての考察を重ねていきたいと思いました。