ダン発2014「束になってかかれ season1」(桜美林大学芸術文化学群演劇専修)

 桜美林大学演劇専修の学生たちによる初めてのダンス発表会(ダン発2014)「謎のインディアン・サマー」が開催されました。主催は同大学芸術文化学群及び、日本を代表するダンサー木佐貫邦子さん率いる演劇専修ゼミ。今回の舞台の特徴はオーディション制ではなく、希望する学生は誰もがエントリーできること。4か月のプレ稽古と2カ月の本稽古を重ねた学生53名が、ABふたつのキャストに分かれての日替わり上演となりました。

 ダンスを専攻する精鋭たちだけでなく、様々な身体や能力を持った個性あふれる学生たちの「群舞」。そこには、祭りや伝統芸能にも通じるプリミティブなパワーが溢れ、ダンス作品としても彩り豊かな世界感を作り出していました。民族音楽等にもみられる「束になる」という手法には、西洋クラシック的な「完成度」とは違う独特の柔らかさと説得力が生まれます。何より「誰もが参加できる」という包容力がある。能力の「差」が個性となって輝き、相乗的な効果を生み出す。例えば’あの人’が引き立つのは、隣に’あの人’が立つからというコミュニティの相互関係も見えてくる。突出した才能だけが舞台を作るわけではなく、それぞれの身体が同じように「生きて」こその’均質’とは違う’調和’の世界。それは振付・演出・指導の木佐貫先生の学生たちの「個」に向けられた愛ある眼差しがあってこそですが、おそらくこの舞台に立った学生の誰もが、自分(の肉体)を「活かしきった」満足感や達成感を持てたのではないでしょうか。開場時の虫の声から始まり、音楽(音)や照明も身体と寄り添うように、少し不思議な「インディアン・サマー」の世界を効果的につくりあげ、観終わった後には何とも清々しい気分になる作品でした。

 最近の舞台芸術の世界では、脚本界の芥川賞とも言われる岸田戯曲賞を受賞した藤田貴大さん(マームとジプシー)、11月にはコネクトネットの宮内康乃さん(作曲家)も参加するフェスティバル・トーキョー「春の祭典」(東京芸術劇場)の演出を手掛ける白神ももこさんを始め、桜美林大学卒業生の活躍が本当に目覚ましい。2003年に淵野辺駅前にオープンしたプルヌスホールは、国内の大学劇場では珍しく芸術文化学群の学生が主体となって管理・運営を担い、「地域に開かれた劇場」として子供向けワークショップなども開催されています。一流の舞台人が育てる次世代の豊かな才能に会いに、気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。今月からは平成26年度文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」の助成を受けて、町田市、相模原市内の小学校(特別支援学級含む)へ第一線で活躍する芸術家を派遣するアウトリーチ活動も始まります。大学と芸術家と都市郊外の子どもたちの出会いについては、また別途レポートする予定です。

 (ササマユウコ)

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