芸術の町・藤野を訪れました(相模原市緑区)

 8月の終わりに、コネクトネットのメンバーでもある作曲家の宮内康乃さん(つむぎね主宰)、彼女の新作声明を演奏する真言宗の斎藤説成さん、中学生女子1名というユニークな組み合わせで、相模原市緑区にある藤野に出かけました。

 藤野町は神奈川県の北西端に位置し、2007年に相模原市に編入、2010年から緑区の一部となった町です。中央高速で近くを通ると山間に大きなラブレターがあるのにお気づきの方、「あれ」がある町です。もともとは甲州街道の宿場町として栄え、今も山岳信仰が残る古い町。この日も駅前では地元の古い祭り最終日の御神輿が担がれていました。2004年にシュタイナー学園が移転したこともあり、学校関係者や芸術家も多く住む「芸術の町」としてここ10年くらいで知名度も飛躍的に高まりました。

 この日は、スティーブ・ライヒのシリーズでも有名な「神奈川県立藤野芸術の家」と、藤野在住の音楽家・藤田陽介さん宅で月に1度行われるコンサートにお邪魔しました(現在ヨーロッパツア―中の「表現ーHyogen」とのセッション)。「芸術の家」は夏休み中ということもあって工房は多くの親子連れでにぎわい、ホールでは音大のオーケストラが合宿練習中でした。敷地内には素敵なレストランもあり、おいしい窯焼きピザなども頂けます。作家が在住する手仕事ブースは店舗にもなっていました。古くから藤野に暮らす方たちの利用頻度はわかりませんでしたが、都市郊外と芸術の、ひとつの理想の関係性を提案している場所だと思いました。小田急相模大野から電車で1時間ちょっとに広がる別世界です。